2010年6月8日火曜日

発表(深谷)・チョコレート史

深谷です。
以前発表したチョコレートに関する話題について、補足記事です。


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■カカオの特徴
原産地…メソアメリカ=中央アメリカ、マヤ、アステカ文明圏
(※メソ…中央、〜の間、の意)

北緯20度~南緯20度の間でのみ実を結ぶ。
最低気温が摂氏16度以下になると生産が難しい植物。
常に水分を必要とするので、乾季がある地域では灌漑技術が不可欠。
このように生育条件が厳しい事が、貴重品、贅沢品とされた所以?

現在では中央アメリカの他、アフリカ大陸において広く栽培されている。

■大航海時代
カカオがヨーロッパに伝わるきっかけとなった時代。16世紀前後。
カカオだけではなく、多くの文化をヨーロッパにもたらした。
 →ヨーロッパとイスラム
  地球の歴史が西洋中心となるのは、この大航海時代以来のこと。
  ローマ帝国の滅亡以来、地球の覇権はイスラム文明のもの。
  特に7世紀以降、イスラム文明は、イベリア半島の先からアフリカ沿岸、
  アラビア半島、イランからインド洋を越え、東南アジアまで支配していた。
  アメリカ大陸をのぞいて地球を1周するスケール。

  (※余談1:イスラム発展の要因)
  イスラム文明がここまで発展した要因として、イスラム教の特色、
  「一神教であること」及び「異種の文化に寛容であること」が挙げられる。
  多神教は様々な神を定義するもの。例えばアステカ文明においては、
  南北アメリカにしか生存しないハチドリも神とする。
  こうした地域密着型の宗教が世界宗教に発展する事は難しい。
 →スパイスの需要
  当時のヨーロッパには、スパイスの大きな需要があった。
  冷蔵庫のない時代、強力な防腐力、殺菌力を持つスパイスが熱望された。
  ヨーロッパで望まれたスパイスは、東南アジアのマルク諸島でしか採れない。
  原産地からヨーロッパまで運ぶルートをイスラム勢力に抑えられていたため、
  ヨーロッパ諸国は海路を模索し、
高波、強風に耐えられる外洋船を開発した。
 →コロンブスについて
  大航海時代において有名な人物。航海士、海図士。
  出自には謎が多いが、
  一貫して「大西洋を西に向かい、アジアに達する」というビジョンをもつ。
  コロンブスはまずポルトガル王にこの話を持ちかけたが、
  当時のポルトガルは他国に先駆け外洋に進出し、インド航路(南アフリカの

  喜望峰、インド洋を経由し東南アジアに達する東周りの航路)を発見していた。
  東に目を向けるポルトガル王にはこのビジョンは受け入れられず、
  コロンブスの提案は数年の後にスペイン王室に拾われ、実現することになる。

  (※余談2:ポルトガル海上帝国)
  ポルトガルが何故、他国に先駆け海上を制覇する事ができたのか?
  その要因はイタリア商人にある。
  外洋船より前の船は脆弱で、横に陸地を見ながらの航海しかできなかった。
  東洋からの輸入品を仕入れたイタリア商人は、品物をヨーロッパ全土に運ぶ為、
  地中海から出て大西洋を陸伝いに北上する事になる。
  その際の中継地点として、ポルトガル・リスボンの港を利用する。
  リスボンの港には東洋の品物と共に、最先端の造船・操船技術が伝えられ、
  これが後の大航海時代、ポルトガルのスタートダッシュの原動力となる。
 →1502年、コロンブス4回目の航海
  この航海でコロンブスはカカオを運ぶマヤ原住民と出会う。
  当時のヨーロッパ人はアーモンドだと思ったらしい。

  これがカカオとヨーロッパ人のファーストコンタクト。

■その他諸々
 ・語源
  ナワトル語(アステカ原住民の言葉)「ショコラトール」=苦い水
  スペイン語「チョコラテ」=熱い水
  →1570年頃、スペインで水に替えてお湯に溶かして飲むようになる頃から
    認められる。
 ・アメリカ英語とイギリス英語
  アメリカ英語では、木の実と未加工のものを「カカオ」、加工処理されたものは
  液体であれ固体であれ「チョコレート」、脱脂した粉末を「ココア」
  イギリス英語では、これら全てが「ココア」と呼ばれる。
  スペインではアメリカと同様の扱い。
 ・カカオの学名「テオブロマ・カカオ」
  18世紀、スウェーデンの学者により命名。
  ギリシャ語で テオ=神、ブロマ=食べ物。「神の食べ物」
  マヤ・アステカで神聖な飲み物であった事から。
  ここから、カカオに含まれる活性成分が「テオブロミン」と名付けられる。

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参考資料

「嗜好品文化を学ぶ人のために」 高田 公理/嗜好品文化研究会 編
                     世界思想社
「お菓子の由来物語」 猫井 登 著
              幻冬社ルネッサンス

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